ハヤブサの飛翔

北海道室蘭の絵鞆半島ではハヤブサが営巣しているので1年を通して観察出来ます。ハヤブサのいる場所は断崖絶壁なので、高い所の苦手な人は下を見ただけで目が回ってしまうでしょうね。撮影場所から海面までは130mくらいでしょうか。私も22年前は足がすくみました。慣れと言うものは恐ろしいもので、今ではその高さを感じないまでになりましたが、安全対策だけはきちんとしています。カメラをリックから出す前に安全帯に命綱を付けます。この順番を守らないと事故に繋がります。猛禽類はそのほとんどは自分の背中を見せる事を嫌がり、これは鳥類や人間に対しても同じです。いくら首が90度回っても上に回しながら飛び続ける事は不可能なので、どうしても背中が弱点となり、その背中を攻撃されるとハヤブサであろうと落命の危機に追い込まれます。このテリトリーのハヤブサのオスは人間に対する警戒心が薄く、私の存在を知りながら悠然と背中を見せて飛んでいます。こういった人を近づけるハヤブサは数十羽に一羽の割合でいるようですが、なぜ人を恐れないのかはよくわかっていません。個体差として片付けてしまうには、簡単すぎますね。遠い昔から猛禽類は鷹狩りに使われてきたので、そんなDNAが引き継がれているのかもしれません。このオスの個体は私が撮影してから5年が経ちましたので、推定年齢8歳くらいでしょうか。このオスの寿命が近づいています。
ハヤブサまでの距離は18m、オートフォーカスではピントが合わないので手動で合わせます。オートでピンが合わないのは背中が迷彩柄になって彩度が無く暗い為です。ハヤブサの目線は餌場のある岩棚に向っています。その後急旋回して餌場に留りました。猛禽最強の翼が力強く写っています。

この写真も私の立っている断崖の下にある餌場に向っています。ハヤブサの翼にある初列風切りは他の猛禽よりも長い事が分かります。これは長距離飛行を最小限の力で飛ぶ事の出来る翼です。

自分のテリトリーをパトロールしています。狩りをする時の飛び方はそのの早さが違い、ゆったりと飛んでいる事が写真でもわかると思います。

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