森の仕事人、クマゲラその2

森の仕事人の前回の続きです。この森は昔はクマゲラの巣が有りましたが,森林公園になってからはクマゲラはどこかに引っ越したようです。ただしクマゲラの好むイチイの樹が豊富にあるため現在はこの森はクマゲラのえさ場になっています。クマゲラはイチイの樹を容赦なく大きな縦穴を開け一見森林を破壊しているように見えますが,実はこの大きな縦穴こそ豊かな生態系に大きく貢献しているのです。イチイの樹は元々幹の中が空洞になっているものが多く幹を食べる虫が入り込んでいます。クマゲラはイチイの樹を突いてその反響音で中が空洞になっているかどうか判断します。空洞になっているとそのまま縦方向に巨大な穴をあけ中の虫を食べ、害虫を除去しイチイの樹は健康を保つ事になります。クマゲラの役目はここまでで、イチイの樹はその大穴をふさぐために傷口を再生して行きますが穴はそのまま残ります。数十年後にはその縦穴はエゾリスの隠れ家になったり他の生き物の巣に活用されます。クマゲラの来る森は生態系が豊かになる訳です。話は長くなりましたが,この森ではエゾリスは8番ほど暮らしています。クマゲラのお陰なんですね。大きな穴をあけられたイチイの樹も枯れる事はありません。森の仕事人クマゲラに拍手しましょう。
クマゲラが大好きなイチイの樹に飛び移りました。幹に空洞があるか確かめているようです。クマゲラは空洞が無くても穴をあける事があります。それはそこから雨水などが入り込み幹の中が腐りエサとなる虫が付きやすくするためです。木の事だけ考えているのではなく自分の事も考えているんですね。


クマゲラによって縦に大きな穴をあけられたイチイの樹です。中は空洞になっていて腐っているので虫も豊富にいたと思われます。やがてこの傷口は再生されて穴が残りエゾリスのねぐらになります。

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